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王の男

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王の男
王の男

『シルミド/SILMIDO』以来の韓国での観客動員数1000万人を突破した話題作!!
試写会を見に行った友人も、絶賛しておりました。最後には泣けるだけでなく非常に感慨深く、後味のある仕上がりだそう。この映画をきっかけに韓国の歴史、時代背景に新たな発見をする人も多いだろう。
また、『ホテルビーナス』で好演したイ・ジュンギの中性的で妖艶な演技にも注目が集まっています。
題名からして王が主役と思いきや時代を必死に生きた芸人の物語。私も封切後には劇場に足を運んでみたいと思います。

また同じ韓国映画でも、最近の観客動員数1000万人以上を記録した映画の中では一線を画す。
『シルミド/SILMIDO』の制作費が82億ウォン、『ブラザーフッド』の制作費が147億ウォン。ところが『王の男』は両作品の制作費の半分にも満たない約40億ウォンを投じて劇場収入だけで300億ウォン以上を稼ぎ出したとの事。


-以下、公式HPより抜粋-

今、実在の宮廷を揺るがした究極の愛憎劇が幕を開ける―― 宮廷芸人を目指し、暴君に認められた2人が、王宮に渦巻く欲望と策略に巻き込まれていく!

◆史実とフィクションを見事に融合させた、
 最高にドラマティックなエンターテインメント!
 2006年、韓国で4人に1人が観たという、とんでもない超大ヒット作が出現した。この国の過去のヒット作と言えば、南北の対立をテーマに巨額の製作費を投じた大作がほとんどである。そんな今までのヒットの方程式をいとも簡単に覆す作品が誕生したというニュースに、国内のみならず世界中が耳をそばだてたのだ。

 その作品のタイトルは『王の男』──なのだが、主人公は権威の頂点にある王ではなく、自らに課せられた運命と必死に闘う芸人たちであるという点で、他の歴史ドラマ映画とは一線を画する作品になっている。さらに史実とフィクションを見事に融合させたドラマティックでスキャンダラスなストーリー、キャストの見事な演技による作品としてのクオリティの高さから、驚異的な勢いで口コミが広がり、リピーターも続出、17週間ものロングランの末、歴代動員新記録(2006年7月現在)を打ち立てたのだ。

 そして、7月に発表された韓国のアカデミー賞と言われる大鐘賞では、最優秀作品賞を始め史上最多10部門受賞という栄光に輝いた。まさに人気・評価共に韓国史上最高の地位に上りつめた映画──それが『王の男』なのだ!


◆固い友情で結ばれた
 2人の芸人たちと、愛を知らない暴君
 時は、16世紀初頭。固い友情で結ばれた幼なじみの旅芸人、チャンセンとコンギルは、国一番の芸人になるという決意を胸に、漢陽の都にやって来た。そこで時の王・燕山君(ヨンサングン)が身分の低い妓生だったノクスに入れあげ、宮中に招き入れて遊び呆けているという噂を聞きつけた2人は、宮廷を皮肉った芝居を演じ、たちまち大人気を博す。

 しかし、彼らは王の側近の重臣に捕らえられ、王が芝居を見て笑わなければ死刑だと言い渡される。王は幼い頃に母親を毒殺されてから心を閉ざし、人前で笑ったことがなかった。そんな王が、一目でコンギルの美しさに魅入られ、達者な演技に爆笑し、臣下の猛反対を押し切って彼らを宮廷に住まわせる。力強く巧みなチャンセンの芸と繊細で艶やかなコンギルの掛け合いは、ますます王を魅了していく。しかし、母親の死の真相を知った王は日に日に狂気に満ちた行動に走り、ノクスは王の心を奪ったコンギルへの恐るべき復讐を計画する。今や2人の芸人は、激烈で悲劇的な運命に巻き込まれようとしていた……。

 原作は、「爾」という舞台劇。“爾”とは、朝鮮王朝において、王が寵愛する者を呼ぶ時に使われた呼び名。2000年に初演されて以来、韓国演劇協会の選ぶ最優秀舞台ベスト5、韓国批評家協会選考の年間最優秀演劇賞及び俳優部門の最優秀新人賞、ドンナー芸術協会の01年度最優秀演劇賞など、数々の賞を総なめにした舞台である。映画化するにあたり、宮廷内の人間模様を描いた舞台の魅力を生かしつつ、チャンセンのキャラクターを書き加えることで、よりダイナミックな人間ドラマに仕上がった。

◆名誉ある賞を総なめした、
 絶世の美青年と個性派俳優たちの息をのむ演技対決
 チャンセンに扮するのは、韓国のアカデミー賞と言われる権威ある大鐘賞主演男優賞を本作で受賞したカム・ウソン。『スパイダー・フォレスト 懺悔』などの演技で、韓国で最も知的な俳優と讃えられていた。コンギルには、『ホテル ビーナス』で、日本でも人気の高いイ・ジュンギ。“歴史を狂わせる美しさ”を見事に体現し、本作でスターの地位を獲得、大鐘賞では新人男優賞・男性人気賞・男性海外人気賞の3冠に輝くという、前代未聞の快挙を成し遂げた。ヨンサングンには、韓国を代表する名優の1人、『達磨よ、ソウルに行こう!』のチョン・ジニョン。王の愛妾ノクスには、やはり本作で大鐘賞の女性人気賞を獲得したカン・ソンヨン。
 彼らの血の通った見事な演技が、それぞれの際立ったキャラクターの魅力にさらに奥行きを与えることに成功した。観る者は4人それぞれに~史上最悪の暴君にさえ~感情移入し、胸を熱くせずにはいられないのだ。監督は、本作で大鐘賞の最高の名誉、最優秀作品賞と監督賞に輝いたイ・ジュンイク監督。
 絢爛豪華な宮廷の中で、実在した史上最悪の暴君に芸で挑んだ2人の男の、波乱に満ちた人生を描く本年度最高の話題作が、遂に日本へ──!


<STORY>

◆「この国で一番の芸人になろう」固い友情で結ばれた2人の旅芸人の決意
16世紀初頭。旅芸人一座の花形、チャンセン(カム・ウソン)と女形のコンギル(イ・ジュンギ)は、迫力のある芸と艶やかな芝居で観客を魅了していた。しかし、所詮は田舎町の巡業、土地の有力者がコンギルの美しさを一晩わが物にしたいと願う金で、座長の懐が潤うだけだった。幼なじみのコンギルと固い友情で結ばれたチャンセンは、コンギルが侮辱されることに耐えられなかった。

遂にその夜2人は、止める座長を叩きのめして、手に手を取って逃げ出した。国一番の芸人になるために、漢陽の都へ行く。まるでずっと前から決意していたかのように、チャンセンはコンギルに宣言するのだった。


◆「王をあざ笑えば金が稼げる」宮廷を皮肉った芝居で民衆の人気者に
漢陽の都に着いたチャンセンとコンギルは、時の王ヨンサングン(チョン・ジニョン)が妓生(芸者)だったノクス(カン・ソンヨン)を宮女にし、日夜遊び呆けているという噂を聞きつける。チャンセンの芸を観て、たちまち自ら“弟分”になったユッカプ(ユ・ヘジン)、チルトゥク(チョン・ソギョン)、パルボク(イ・スンフン)の3人の芸人たちを仲間に入れ、チャンセンは宮廷を皮肉った芝居を思いつく。

チャンセンが王、コンギルがノクスに扮したその芝居はたちまち大人気を博し、2人は民衆のスターになった。チャンセンは、自由の身で楽しそうに芝居をするコンギルを見るのが、何よりもうれしかった。


◆捕らえられた芸人たち「王が笑わなかったら、お前らの首をはねてやる」
しかし、栄光の時はあっという間に終わる。噂を聞きつけた王の重臣チョソン(チャン・ハンソン)が、チャンセンたちを捕らえ、王を侮辱した罪で死刑だと宣告する。「王が笑えば侮辱じゃない」反論するチャンセンにチョソンは心を動かされる。

ことは思わぬ展開となり、王の前で命をかけた一世一代の芝居が始まった。ユッカプたちは恐れのあまり、声も体も震えが止まらない。チャンセンは何とか芝居を続けるが、人前で笑ったことがないという王の仏頂面の前で、空回りしていく。その時、妖艶な笑顔で王を惹き付け、達者な芸で遂に王を笑わせたのは、コンギルだった。


◆歪んだ宮廷生活「王をからかったお前たちが、なぜ重臣をからかわない?」
チャンセンたちは死刑を免れ、宮廷に住むことを許される。重臣たちが異議を唱えるが、チョソンは何を企むのか、チャンセンに重臣をからかう芝居をやれとたきつける。それは重臣が賄賂を受け取ったことを暴く芝居だった。王は顔色を変えて懺悔する法務大臣を罷免し、指を落とせと命じる。

宮廷の力関係がひどく歪んでいることが、チャンセンにもわかってきた。王は自分の狩場を作るために住民を追い出したり、国中の妓生を集めたりとやりたい放題で、先王に仕えた重臣たちはそんな王を蔑んでいた。誰も民衆のことなど考えてもいなかった。


◆「芝居をするたびに誰かが死ぬ」もはや宮廷を去るには遅すぎた──
暴君と呼ばれる王の常軌を逸した行動には、原因があった。幼い頃に母親を殺されたことが深い傷となり、性格を捻じ曲げてしまったのだ。それを知った心優しいコンギルは王に同情し、王はコンギルの美しさと純粋さに益々心を奪われる。彼らが2人だけで過ごす時間が増えるにつれ、チャンセンの心配とノクスの嫉妬は、限りなく膨らむのだった。
不穏な行く先を肌で感じたチャンセンは、宮廷を出ることを決意するが、コンギルに頼まれて最後の舞台に上る。それは、誰が王の母を殺したかを暴く芝居だった。王は逆上し、母に毒を盛った実行犯たちに復讐を果たす。首謀者である王の実の祖母も、ショックのあまり息絶えてしまう。
チャンセンと芸人たちは、恐ろしい成り行きに呆然としながら荷物をまとめる。ところが、王に引き止められたコンギルは残ることを選ぶ。
小さな喜びと耐えがたい苦しみを共に分かち合い、真の芸人になることを目指してここまできたのに、コンギルは自分を裏切るのか──初めて味わう深い悲しみに心を引き裂かれるチャンセン。
しかし、2人の行く手には、ノクスが企む復讐から始まる、さらに悲劇的な運命が待ち構えていた……。

<CAST>

〈王に背いた男〉チャンセン
強くやさしい心を持ち、何よりも自由な精神を望む芸人。ところが、人生で一番大切に思っていた幼なじみのコンギルに去られ、打ちひしがれてしまう。持ち前の度胸と話術に加え、綱渡りの曲芸を得意とし、朝鮮王朝初の宮廷芸人となる。
カム・ウソン
「すべてが新鮮で楽しかった」
韓国で最も知的な俳優と称賛され、どんな役柄も演じてしまう幅のある才能の持ち主。これまでにも“最初に出逢った瞬間から激しい愛を交わす大学講師”“幽霊から部下を守るために苦悩する理性的で温かい心を持つリーダー”や“金のために驚くべき陰謀をたくらむ男”などを演じている。本作では、綱渡りやその他の様々な芸を身につけるために厳しいトレーニングを受け、初の歴史ドラマで宮廷芸人のリーダー役を演じ、大鐘賞主演男優賞を獲得する。
【主な映画出演作品】『情愛』(01)、『R-POINT』(04・未)、『スパイダー・フォレスト 懺悔』(04)、『大胆な家族』(05・未)

〈王を虜にした男〉コンギル
美しさだけでなく、その演技力からも人々の心を魅了する女形。普段は内気で物静かだが、芝居が始まると機転の利いた大胆な演技で周囲を驚かせる。チャンセンは親友、家族、芸人仲間で、言葉を交わさなくても互いの気持ちの機微まで分かり合える。その一方で、王の孤独と苦悩を唯一理解している人物でもある。

イ・ジュンギ
「僕のキャリアの一大チャンスだった」
コマーシャルや日本の映画、ドラマで活躍。得意の宙返りとマーシャル・アーツに加え、抜群の演技力でコンギル役にキャスティングされた実力派俳優。本作で、大鐘賞の新人男優賞・男性人気賞・男性海外人気賞の3冠に輝くという快挙を成し遂げる。最新作は、宮崎あおい共演の日韓合作映画『ヴァージン・スノー』(06)。
【主な映画出演作品】『ホテル ビーナス』(04)、『僕らのバレエ教室』(04)、『フライ,ダディ,フライ(韓国版)』(06・未)

ユッカプ
自分が最高の芸人だと自負していたが、チャンセンとコンギルの芸を見て感銘を受け、2人の弟分を引き連れて、チャンセンとコンギルの芝居に加わる。小心者だが気持ちのやさしい芸人。

ユ・ヘジン
悪役から無垢な男まで、様々な役柄を演じ分けることのできる演技派俳優の1人。本作で、大鐘賞助演男優賞を受賞する。
【主な映画出演作品】『公共の敵』(02)、『ジェイル・ブレイカー』(02)、『達磨よ、ソウルに行こう!』(04)、『強力3班』(05・未)、『このまま死ねない』(05・未)、『血の涙』(05・未)、『国境の南』(06)

〈狂王〉ヨンサングン
史上最悪の暴君と呼ばれた実在の王。望むものすべてを、たとえそれが男であれ女であれ、手に入れることのできる王。しかしその支配力をもってしても、苦悩と喪失感だけはどうすることもできない。

チョン・ジニョン
「最初は、私に演じられるのか心配だったが、最高の経験だった」
韓国を代表する演技派俳優の1人。舞台で活動を始め、元文化観光相の映画監督イ・チャンドンに見出されて映画スターとなる。『約束』(98・未)で、暴力団のボスのために命を捧げる暴力団員役を熱演し、第36回大鐘賞映画祭助演男優賞を受賞した。
多才な役者として観客にも親しまれているジニョンは、今回の王役を「単なる暴君ではなく、常に純粋な愛と優しさを求めて精神的葛藤を続けている男」と表現している。
【主な映画出演作品】『約束』(98・未)、『リング(韓国版)』(99・未)、『アウトライブ 飛天舞』(00)、『達磨よ、遊ぼう!』(01)、『ガン&トークス』(01)、『黄山ヶ原』(03・未)、『ワイルド・カード』(03)、『達磨よ、ソウルに行こう!』(04)

ノクス
元売れっ子の妓生だった、王の愛妾。世間で下層階級出身だと囁かれていても、決して動じない毅然さも備えている。しかし、コンギルの出現で王の歓心を奪われたことで、どんな手段を使ってでも王の愛を取り戻そうとする。

カン・ソンヨン
「演技のやり方を考えないようにして、ストーリーに我が身を任せませした」
ソンヨンのキャリアの中でも、今回のノクス役は最高の役柄となった。主にテレビドラマで活躍しているソンヨンにとって、今回は2度目の映画出演。本作では、さらに演技に磨きをかけ、その魅力と美しさを開花させ、大鐘賞女性人気賞の栄誉に輝いた。
【主な映画出演作品】『このまま死ねない』(05・未)

チョソン
王の目となり耳となる側近。宮廷内で唯一、王の身を心から案じている。3人の歴代の王に仕え、常にその時々に忠誠を尽くしてきた。芸人たちを使って王を苦しみから救おうと手を尽くし、重臣たちに巻き込まれずにその立場を賢く利用する。

チャン・ハンソン
韓国では最も有名なベテラン俳優の1人。様々な出演作で演じている役柄は、威厳に満ち溢れた高貴な役柄が多い。
【主な映画出演作品】『カル』(99)、『反則王』(00)、『オー! ハッピーデイ』(03・未)、『天国からのメッセージ』(04)、『強力3班』(05・未)


<STAFF>

イ・ジュンイク(監督)
【Message】
人間は、社会的生き物として、社会や組織の中で生きることを余儀なくされます。
それに加えて人間は、社会における階級や階層というものを選ぶことなど出来ません。
そして一人一人、自らの生きるべき道をただ進むしかないのです。
しかし誰一人として、自分の目の前の道を素直にただ歩く者はいないでしょう。それが悲劇を生むのです。
人間は皆、自らの運命に逆らおうともがき、その過程に幾多の衝突や緊張が生まれるのです。
王の男』では、そんな人間の性を描きたいと思いました。
王の男』は、私の前作『黄山ヶ原』と同じく時代劇ですが、
演出における意図としては全く違うものがあります。
『黄山ヶ原』は、言葉遊びによって構成されるエピソードに重点をおいていました。
それに対して『王の男』では、映画のテーマやコンセプトといったものが、
役者と劇中劇によって表現される中で、歴史的背景に基づいた私自身の解釈を反映させていきました。

【Interview】
なぜヨンサングンを題材として選んだのでしょうか?
平和な時代にこそ暴君は現れる、ということわざがあります。皇帝ネロや中国のチン王などがその例と言えるでしょう。ヨンサングンは一般的に、まれにみる冷酷非道な暴君として知られていますが、彼の生い立ちをよく知れば、同情すべき人間だということが分かってきます。この作品では、ヨンサングンを人間らしく描きたかったのです。しかし、ヨンサングンが、本作の主人公ではありません。むしろ彼は、並外れた個性豊かなキャラクターたちの1人に過ぎないのです。物語そのものは、チャンセンと彼が繰り広げる公演を中心に展開していきます。

主人公たちについて聞かせてください。
芸人チャンセンは、課せられた運命と闘うキャラクターです。路上の大道芸人たちが、最下層中の最下層としてひたすら迫害を受けていた時代の中で、彼はこの世で誰よりも自由な男として生きているのです。まるで王のように振る舞い、止まることを知らない絶頂にいると同時に、その反面では、自分に与えられた運命から逃れたい一心で、彼は徐々に混乱と狂気の淵へと堕ちていきます。チャンセンのキャラクターは、社会の呪縛にがんじがらめになった我々自身を表現しているとも言えます。対照的にコンギルは、自分の運命を受け入れるキャラクターとして、環境に順応するという人間の側面を表現しているのです。

本作のタイトル『王の男』の意味とは?
「男性VS.女性」というコンセプトに見られるような一般的な概念とは対照に、ある意味矛盾した、逆説的な対比を示しています。「男と女」という性別の違いによる対比を超えたところで、人間の価値を表現しようと思いました。コンギルはヨンサングンの心の隙間を埋めてくれる存在のようでありながら、そのコンギル自身もまた、ひとつの幻影に過ぎない。全ての人間に当てはまるそういった矛盾、パラドックスを意味しているのです。

映画と原作となった舞台劇の違いは?
実際の舞台は観ていないのですが、台本を読み、ビデオ録画したものを観ました。舞台版は、富と権力によって、徐々に堕落していくコンギルが主役で、チャンセンはただ彼の側に居るだけの脇役ですが、映画ではチャンセンが主役です。彼から溢れ出る人間的な感情や情熱によって、コンギルとヨンサングンの関係が揺らいでいくさまを描きました。

【Profile】
1993年に『キッドコップ』で監督デビューを果たし、以降、映画マーケティング、製作、輸入配給など様々な映画関連の仕事に関わっている。監督第2作目は、製作も手がけ、歴史ドラマと喜劇の融合という新たなジャンルを切り開いて絶賛された、『黄山ヶ原』(03・未)。監督第3作目の本作『王の男』で、大鐘賞監督賞を受賞した。次回作はアン・ソンギ、パク・チュンフン出演の『ラジオスター』(原題)。

【主な映画作品】
監督:『キッドコップ』(93・未)、『黄山ヶ原』(03・未)
製作:『キッドコップ』(93・未)、『SPY リー・チョルジュン/北朝鮮から来た男』(99・未)
製作・配給:『アナーキスト』(00)、『達磨よ、遊ぼう!』(01)

チェ・ソクファン(脚本)
イ・ジュンイク監督『黄山ヶ原』(脚本のほか、俳優としても出演)、シン・ヒョンジュン主演『達磨よ、ソウルに行こう!』で脚本を手掛ける。本作では、原作である舞台では脇役の“チャンセン”というキャラクターを書き換え、彼を主人公に持ってくるというオリジナリティを発揮、史実とフィクションを見事に融合したドラマティックな脚本を書き上げ、大鐘賞脚本賞を受賞した。イ・ジュンイク監督の最新作『ラジオスター』でも脚本を担当している。
【主な映画作品】『黄山ヶ原』(03・未)、『達磨よ、ソウルに行こう!』(04)、『ラジオスター』(06・原題)

ハン・ジウプ(照明監督)
海外で高く評価されたキム・ギドク監督の『春夏秋冬そして春』(03)で知られる。本作では、宮廷内と広場の光の対比が印象的な味わいとなって反映された見事な照明技術をみせ、大鐘賞照明賞にノミネートされた。
【主な映画作品】『コースト・ガード』(01)、『同い年の家庭教師』(02)、『春夏秋冬そして春』(03)、『黄山ヶ原』(03・未)

シム・ヒョンソップ(衣装)
韓国映画史上初めて1000万人を動員した映画『シルミド/SILMIDO』、ソン・ガンホ主演『大統領の理髪師』、『風のファイター』で衣装を手掛け、一躍その名を知られる。本作では時代考証をベースにしながらも大胆な発想で衣装を手掛け、大鐘賞衣装賞にノミネートされる。引き続き、イ・ジュンイク監督の最新作『ラジオスター』でもコラボレートしている。
【主な映画作品】『イエスタデイ』(02)、『マッチ売りの少女のジェリム』(02・未)、『シルミド/SILMIDO』(03)、『大統領の理髪師』(03)、『風のファイター』(03)、『ラジオスター』(06・原題)

チ・ギルン(撮影)
デビュー作『ハリウッドキッズの生涯』(94)以来、壮大なシーンを捉えると同時に、役者たちの繊細な感情表現まで映し出すことのできる、卓越した手腕を発揮する撮影監督として高く評価されている。本作は『黄山ヶ原』に続く、イ・ジュンイク監督作品。監督の意図をすばやく読み取り、宮廷内外のシーンに最もふさわしいカメラワークを見せ、大鐘賞撮影賞を受賞した。
【主な映画作品】『ゴーストタクシー』(00)、『同い年の家庭教師』(02)、『黄山ヶ原』(03・未)

カン・スンヨン(アートディレクター)
HISTORY DESIGN & PRODUCTION社の設立者で、小道具や衣装を重視するアートディレクションにおける新たな側面のパイオニア的存在。本作で大鐘賞美術賞にノミネートされた。
【主な映画作品】『FUN MOVIE』(02)、『爆烈野球団!』(02)、『シルミド/SILMIDO』(03)、『黄山ヶ原』(03・未)、『風のファイター』(04)、『大統領の理髪師』(04)

イ・ビョンウ(音楽)
ギタリストとしても有名なイ・ビョンウは、感動的なスコアから不気味な音楽まで幅広く手がける音楽監督。本作では深い感情と感動を表現した音楽で、観客を崇高で悲劇的な要素をはらんだストーリーに引き込み、大鐘賞音楽賞にノミネートされた。
【主な映画作品】『マリといた夏』(02)、『箪笥』(03)、『スキャンダル』(03)、『恋愛の目的』(05)、『グエムル 漢江の怪物』(06)


韓国史上最大の暴君、ヨンサングンとは?

韓国史上最大の暴君、ヨンサングン(燕山君)と、その時代。
ヨンサングンとは、朝鮮王朝第10代の王。在位は、1494年~1506年。
王権を利用した凶暴な独裁政治を行ったため、王としての称号、
「祖」「宗」の字を贈られず、「君」という王の兄弟としての名前で呼ばれる。

◆幼い頃から忌まわしい運命を背負わされた、その生い立ち
1476年、朝鮮王朝第9代国王ソンジョン(成宗)の第一子、世継ぎの王子として生まれる。母親であるユンヒ(尹妃)は、最初の王妃の死後、正妃の位に登る。しかし、嫉妬心が異常に強く、他の側室を殺害するだけでなく、王に対しても顔に爪痕を残すなどの暴力をはたらいた。そのため、王妃の位を剥奪され、王命により服毒自殺させられる。

幼い頃から非常に偏屈で粗暴だったというヨンサングンの性格は、このことや母親の自殺を王に促した祖母、仁粋大妃の常軌を逸するほどの辛い仕打ちに原因があると伝えられている。
学問を嫌い、勉学に励もうとしなかったので、王位継承者としてふさわしくないという意見もあった。しかし、1494年、父ソンジョンの死去により、満18歳で即位する。

◆暴君の名前を決定付けた、傍若無人・極悪非道・言語道断な行いの数々
●朝鮮仏教の由緒ある寺院・円覚寺を、宮仕えの高級芸者・妓生(キーセン)の養成学校に変え、国中の美女を集めた。お気に入りの妓生は宮中に招き、毎日のように饗宴を催した。
●馬好きが高じて、眺めの良い漢江沿いに住む民衆を立ち退かせ、乗馬場を建設する。
●儒教の殿堂である成均館(現在の成均館大学)を高級社交場にする。
●伯母にあたるウォルサンデグン(月山大君)夫人を陵辱した。
●自分を批判しない者だけを側近にし、逆らう官僚や儒学者を大量に粛清 した。
●学者や文人を嫌っていたため、1498年に士林派の官僚を粛清する「戊午 士禍」事件を起こす。
●1504年、実母ユンヒの恨みを晴らすため、その死に荷担したもの、傍観した ものを探しだし、死刑もしくは厳罰に処する。「甲子士禍」と呼ばれるこの 事件は、処刑後に四肢をバラバラに切断するなど、残酷な刑罰の様子が今 も語り継がれている。
●国庫は破綻し、国家財政を立て直すために、功臣に与えた土地を没収し、民衆には重税を課した。

◆短い生涯で悪の限りを尽くしたヨンサングンの最期は?
臣下の朴元宗らのクーデターにあい、王位を剥奪されて江華島(カンファド)へ流され、2ヶ月後、30歳で死去した。
朴元宗一派が次の王に擁立したのはヨンサングンの異母弟で、「宮廷女官チャングムの誓い」でヒロインのチャングムが仕えることでも有名なチュンジョン(中宗)である。
◆身分の低い者が、チャンスを与えられた時代だった
ヨンサングンのおかげで、高級芸者・妓生の文化が栄えた。妓生の身分が細かく整えられ、技能向上がはかられ、貴族たちの宴会になくてはならない存在となったのだ。また、外国の使節を接待する重要な外交手段としても活躍した。

その他、『王の男』で描かれているように、朝鮮王朝では賎民とされた大道芸人を、臣下の反対を押し切って初めて王宮に召し抱えたのもヨンサングンである。彼は結果的に、口を利くのはもちろん、目を合わせることさえ許されないくらい身分差のある芸人たちに活躍するチャンスを与えたのだ。
悪名高い歴史上の人物として韓国では知らない人はいないヨンサングンだが、一方では「儒教の厳しい教えを打ち破って自由に生きた王」「実の母が、祖母と父親の手で殺された悲劇の王」という見方も韓国の民衆の中にあるという。

◆ヨンサングンは現代の政治問題にまで影響した!
臣下の朴元宗らのクーデターにあい、王位を剥奪されて江華島(カンファド)へ流され、2ヶ月後、30歳で死去した。
朴元宗一派が次の王に擁立したのはヨンサングンの異母弟で、「宮廷女官チャングムの誓い」でヒロインのチャングムが仕えることでも有名なチュンジョン(中宗)である。

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